汚水・排水処理
工場・建築物等への排水処理システム導入
都市課題
新興国都市では下水道の整備が遅れており、ホテルやショッピングモール、工場等の民間施設は個別排水処理で対応しています。これらの施設の排水処理システムは老朽化し、排水基準を満たさない汚水が直接河川に放流されています。
特に処理工程の中で発生した汚泥の処理は深刻な問題です。
民間施設向け排水処理システム
水質調査やコスト分析、システム評価等のデータを収集し、対象となる民間施設の特性やスペース、予算等に配慮した個別排水処理システムの提案が求められています。
また、類似業種が集まる工業団地では、効率的な処理方法として集合排水処理システムの導入も期待されています。
排水処理分野のプロジェクトコンセプト〈持続可能な汚水管理への移行〉
都市課題と提案された解決案
新興国都市において普及しているセプティックタンク(腐敗槽)は、引き抜き後に汚泥が不法に投棄されている事例や、タンクから地下に汚水が浸透し地下水の汚染につながっている事例、不十分な処理により海や河川の水質が汚染されている事例が散見されます。
横浜市は、適切な汚水処理設備の導入や引き抜き汚泥の適切な管理体制の構築について、市内企業と連携して国際協力に取り組んでいます。
実践事例
(1)フィリピン国セブ市他 高効率汚泥脱水装置の導入
アムコン株式会社(横浜市)は横浜市と連携し、省電力・省水量及び容易な運転管理を実現する汚泥脱水装置を公共下水処理場に導入するために、JICA普及・実証事業を行いました。これにより、セブ市の汚泥管理に関する条例制定にも貢献するとともに、バギオ市やタルラク市などのフィリピン国内の他自治体への普及も進んでいます。
(2)フィリピン国カガヤンデオロ市他 分散菌処理システムを用いた汚水処理改善技術導入
日之出産業株式会社(横浜市)は横浜市と連携し、分散菌処理システムを現地のホテルや工場、市場などの大型施設に導入するための案件化調査(JICA事業)を実施中です。施設単位での適切な汚水処理設備の普及によって、自然水域の環境保護・改善に加えて市民や事業者の衛生意識の向上を目指しています。