
横浜ウォーター株式会社(横浜市中区)

1 事業概要
メトロセブ水道区汚泥管理計画コンサルティング業務
2 国・地域(都市等)
フィリピン国メトロセブ
3 SDGsへの貢献
4 事業化の道のりと実績
フィリピン国メトロセブはフィリピン第二の都市圏ですが、下水や排水の処理がほとんど行われておらず、水環境の悪化が深刻となっています。約90%の住宅には汚泥腐敗槽[1]が設置されていますが、定期的な汚泥引抜等の適切な管理がなされていないのが実情です。また、引き抜かれた汚泥が河川等に不法投棄される場合もあり、深刻な環境汚染を引き起こしています。都市化のさらなる進行により、水環境や生活環境の悪化が懸念されています。


横浜市は、2012年3月にセブ市と「セブ市の持続可能な都市開発に向けた技術協力に関する覚書」を交わし、2015年からJICAと連携して、セブ市を含む都市圏域の総合開発計画である「メガセブ・ロードマップ2050」の策定に協力してきました。同計画の開発目標の一つに2030年及び2050年の汚水処理人口の普及率が定められたことを受けて、2017年からJICAと横浜市は、「メトロセブ汚泥処理施設建設計画準備調査(実施期間中に「メトロセブ水道区汚泥管理計画準備調査」と改称)を行い、その後、2023年にJICA とフィリピン国メトロセブ水道区(MCWD)との間で「メトロセブ水道区汚泥管理計画」に係る無償資金協力の贈与契約が締結されました。
横浜ウォーター株式会社は、横浜市が長い歴史の中で培ってきた上下水道の技術やノウハウ等を活用して国内外の事業に貢献することを目的として、2010年に設立された横浜市100%出資の外郭団体です。外郭団体として公益的使命の達成に向けた取組を進めるとともに、株式会社として国内外の上下水道分野で積極的なビジネス展開を行っています。
このような背景のもと、横浜ウォーター株式会社は、横浜市とともにメトロセブの環境問題の解決に貢献するため、八千代エンジニヤリング株式会社等と共同企業体を結成し、2024年にメトロセブ水道区(MCWD)の間でコンサルティングサービスに係る契約を締結しました。横浜市が有する下水処理施設の運転維持管理やし尿・浄化槽汚泥収集管理のノウハウ等を活用して、MCWDに対する技術協力を行います。この事業により、メトロセブ地域における6 自治体(セブ市、マンダウエ市、タリサイ市、コンポステラ町、リロアン町、コンソラシオン町)全地域にて、腐敗槽汚泥の適切な管理が行われ、水環境の改善を図ります。

[1] 腐敗槽…主に住宅に設置される簡易な生活排水の処理装置。所期の性能を保つには、堆積する汚泥を適切な頻度で引き抜く必要がある。
5 外部参照リンク
横浜ウォーター株式会社関連ウェブページ:https://yokohamawater.co.jp/