株式会社ファインテック(横浜市緑区※)　※事業当時の所在地

１　事業概要

工場への屋根置き太陽光発電による電力供給

２　国・地域（都市等）

タイ（バンコク都市圏）

３　SDGsへの貢献

４　事業化の道のりと実績

（１）現地課題と進出経緯

タイのバンコクは東南アジア地域の主要都市として経済発展しており、温室効果ガスの排出量は増加傾向にあります。また、2011年には気候変動による影響と考えられている大規模な洪水が発生するなど、バンコクでは気候変動対策は重要な都市課題になっています。

横浜市は、バンコク都と2013年に都市間協力に関する覚書を交わし、バンコク都気候変動マスタープラン(2013年-2023年)の策定に協力してきました。このマスタープランは、JICAの支援のもと平成27年度に完成しました。マスタープランは「交通」、「エネルギー」、「廃棄物・下水」、「都市緑化」、「適応策」の分野を対象にした気候変動対策計画で、各分野において横浜市の知見等が提供され、マスタープランに反映されました。

このマスタープランの策定支援と並行して、横浜市は市内企業と連携してバンコク都の低炭素化事業の形成にも協力してきました。平成26年度には、横浜市は一般社団法人海外環境協力センター（ＯＥＣＣ）、株式会社ファインテック(以下、ファインテック)、株式会社InterAct、JFEエンジニアリング株式会社と連携して、省エネ及び廃棄物・下水分野を中心にした環境省JCM案件形成可能性調査を実施しました。この調査の中でビジネスマッチングを実施し民間企業間による事業形成を促進しました。

この調査等を通じてファインテックは、現地民間セクターとのネットワークを拡大。ファインテックの保有する再生可能エネルギー技術等を駆使して、現地企業と太陽光発電事業を立案し、環境省からJCM設備補助事業の採択を受けました。同設備は平成30年度に竣工しました。

（２）事業の効果

連携企業２社が運営している基幹工場の屋根上に、それぞれ1.0MWの太陽光発電システムを設置することによりタイ国発電公社(EGAT)から供給されている電力の一部を代替します。これまでの火力発電からの電力消費量（2,680,483.4kwh/年）を削減する計画です。この電力消費量の削減は、844tCO2/年のGHG排出量の削減に相当します。

設備導入にあたって、ファインテックおよび現地企業２社は国際コンソーシアムを組成し、環境省が進める二国間クレジット制度（JCM）設備補助を活用して、GHG削減効果に資する設備費に公的な補助金を活用したことにより、投資回収年数を短くすることができました。

ファインテックは、本事業で得た経験を活かして引き続きタイ国及び周辺国を中心にエネルギーマネジメントシステムや追尾式太陽光システム等を含む太陽光発電事業の拡大を目指しています。

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５　本事業で活用した公的支援制度等

支援制度等	事業名	実施者	調査報告書等
JICA技術協力プロジェクト	バンコク都気候変動マスタープラン作成・実施能力向上プロジェクト（2013年-2023年）	JICA、横浜市	報告書
環境省都市間連携プロジェクト	JCMを活用したタイ王国バンコク都の気候変動マスタープラン実施支援調査（平成26年度）	一般社団法人海外環境協力センター	報告書
環境省都市間連携プロジェクト	タイ王国・バンコク都気候変動マスタープランに基づくJCMプロジェクト（省エネ及び廃棄物・下水）開発と低炭素技術導入のための資金等促進スキーム検討調査（平成27年度）	一般社団法人海外環境協力センター 株式会社ファインテック、株式会社InterAct、JFEエンジニアリング株式会社 横浜市(Y-PORTセンター)	報告書
環境省 JCM設備補助事業	工場への屋根置き2MW太陽光発電による電力供給	株式会社ファインテック	事業概要

６　参考外部リンク

横浜市国際局記者発表資料「タイでの工場省エネに関する市内中⼩企業の事業提案が 環境省のJCM設備補助事業に採択されました。」（2016.07.25）