老朽化した建築物の水道管赤錆対策に挑む!!
都市拡業(横浜市南区)
1 事業概要
民生建築物の赤錆対策
2 国・都市
モンゴル(ザミンウード市)
3 SDGsへの貢献
4 事業化への道のりと実績
(1)進出経緯(アジア・スマートシティ会議でのビジネスマッチング)
都市拡業㈱(以下、都市拡業)は、2018年11月に横浜市が開催した「第7回アジア・スマートシティ会議」の一環で行われたビジネスマッチングイベントに出展し、モンゴル国からの行政視察団から高い関心を得ました。このイベントには、モンゴルから保健省大臣、建設・都市計画省職員、3市の市長などの要人が参加しており、同社がモンゴル国内の幅広いビジネスセクターとのネットワーク形成の契機にもなりました。
都市拡業が提供する技術は、水道管に設置することで流水の水質を変化させ鉄の酸化速度を遅くし、配管の内部に安定した炭酸カルシウム被膜を形成させるというものです。被膜下の酸化の遅くなる環境で赤錆から黒錆への変化が促進され、赤錆で浸食されていた管の内部も黒錆によって元の肉厚まで復元されるなど、配管の閉塞率の改善が期待できます。
必要な工事は給水管の元に製品を設置するものであり、水道管の取替等に比べると工事費は大幅に低廉になることも大きな特長です。本製品は、2017年に国土交通省の建築新技術認定を受けました。
(2)建築物の水道管赤錆対策に向けて
モンゴル国側からは各州の水供給の現状についての情報提供がありました。モンゴル国においては、どの州においても水道管破損による漏水が多いことや、井戸水の供給システムも古く、水道管が水圧に耐えられないというような課題を持っていることが明らかになりました。一方で、同社の技術は、水道管の内壁を黒錆でコーティングすることで水道管の腐食を抑制しますが、この化学反応を管内で誘発させるためには、水道水に含まれるカルシウムや重炭酸イオン、活性シリカの含有量が重要となるため、設置工事に先立って水質調査を行う必要があります。
はじめに、中国国境付近の都市ザミンウード市の民間ホテルから引き合いがあり実証を兼ねた納入が実現しました。ザミンウード市は、ウランバートルから車で南東に約16時間走った中国との国境付近に位置している都市です。冬のモンゴルは氷点下30度になることも珍しくないほど極寒の気候であるため、その時期の出張は大変厳しいものでした。また、専門用語が求められる協議における言語面でのハードルや、現地工務店の日本との施工方法の違いも乗り越え据付工事が行われました。設置後の効果については、新型コロナウィルスの終息後、検証していく予定です。また、ウランバートル市内の大手建設企業からも引き合いがあり、同国への更なる展開を見据えています。
5 本事業で活用した公的支援制度等
支援制度等 | 事業名 | 実施者 | 調査報告書等 |
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